星と月と恋の話
第6章
――――――ハイキングデートの翌週。




私が学校に行くと。

珍しく、結月君の方から話しかけてきた。

「おはようございます」

「あ、うん。おはよ…」

学校で、結月君が自分から話しかけてくるなんて。

ちょっとびっくりした。

でも丁度良かった。

「足、大丈夫ですか?」

いの一番に、結月君はそれを聞いてきた。

ずっと心配してくれてたんだろうか?

やっぱ優しいなー…。

「うん、だいぶ良くなったよ。もう普通に歩ける」

精々、帰った日のお風呂で、お湯に滲みて痛い目を見たのが関の山。

翌日には、ほとんど痛みは引いていたし。

今朝になると、もう腫れも引いてしまった。

昨日大人しくしてたしね。それが良かったのかも。

「そうですか、それは良かった…」

心底ホッとした様子の結月君だった。

本当に心配してくれてたんだ。

「ごめんね、本当…。それと、これ。ハンカチと手拭いありがとう」

私は、洗って持ってきた結月君のハンカチと手拭いを、彼に返した。

「あ、はい。こんな急がなくても良かったのに」

「いやいや、いっぱい迷惑かけちゃったからさぁ…。今度何かお詫びするわ」

「そんなの気にしなくて良いですよ」

君が気にしなくても、私が気にするわ。

今度、何かお詫びの品を用意しておこう。
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