星と月と恋の話
「次はこれをやりましょう」

「?何ですか?」

「『大乱戦!スマッシュシスターズ』よ」

これも、友達と遊ぶときには定番のゲームよね。

結月君も聞いたことくらいはあっ、

「…物騒な姉妹をお持ちなんですね」

あっ、駄目だわ、誤解してる。

そういう意味じゃないから、これ。
 
「何をするゲームなんですか?」

「格闘ゲームよ、格闘ゲーム。コマンドを入力して、相手を倒すの」

「本当に物騒なゲームですね」

私もこのゲーム、そんなに上手い訳じゃないんだけど。

少なくとも、結月君よりは上手だと思うわ。

「こっちもね、ネットに繋げると、世界中のプレイヤーと対戦出来るのよ」

「成程。世界って広いんですね…。こんなことばかりやってたら、確かに勉強はおざなりになりますよね」

「悪かったわね」

私はそんなにゲーマーじゃないわよ。失礼な。

「こっちも、CPU相手に…レベルは1に設定して…」

『スマシス』のCPUレベル1は、めちゃくちゃ弱いから。

もう、敵なんてほぼ突っ立ってるだけで、ろくに攻撃もしてこないから。

何なら、デタラメにボタンを押してるだけでも勝てるから。

これなら、結月君でも大丈夫だろう…と。

…思っていた時期が、私にもありました。
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