星と月と恋の話
「結月君、前に進むのよ、前に。横じゃなくて」
「こ、こうですか?」
「違う。また逆走してるから」
前に進むはずの車で、何で器用に横に進めるのよ。
どういう操作をしてるのか、むしろ気になるわ。
「アクセル押して、アクセル」
「あ、アクセル…これですか?」
それブレーキ。
キキキーッ!と急ブレーキをかけていた。
かと思えば。
「あっ、こっちですね」
アクセル全開で、コースの外を突き抜けて、元気良く落下。
…私、絶対、結月君の運転する車には乗りたくないわ。
命がいくつあっても足りないわよ。
「うぅ、進むのが難し…あっ」
あ?
「この人、甲羅を投げてきましたよ…!?危険物をレースに持ち込むなんて、反則じゃないんですか?」
「…そういうゲームだから、これ…」
気持ち良く先頭を走ってたら、後ろから甲羅や爆弾が飛んでくるゲームなのよ。
「…!道の真ん中に、バナナが落ちてる…!?」
「バナナの皮ね」
「これ、踏んだら何か良いことが…」
「あっ、駄目よ踏んじゃ、」
と、言ったときには時既に遅し。
結月君のカートは、バナナの皮でつるりんと滑り、横転。
…あーあ…。めちゃくちゃよ、もう…。
「何で道の真ん中に、こんな危険物が落ちてるんですか…!?」
「…だから、そういうゲームなのよ…」
「道路交通法違反ですよ」
「…そういうゲームなんだって…」
現実じゃないから。ゲームだから。
空も飛ぶし、キノコで加速もするし、甲羅も飛んでくるのよ。
CPU相手なら何とかなる、と思っていた私が甘かった。
ゲームセンターでも、ろくに前に進まなかった結月君は。
CPU皆がゴールして、暇を持て余し、何なら昼寝でも始められそうなくらい、たっぷりと時間をかけて。
「はぁ、やっとゴールした…!」
「…おめでと…」
「ほら、僕もやれば出来るじゃないですか」
そう。
喜んでるところ悪いけど、これ、ゴールを祝うゲームじゃないから。
速さを競うゲームだから。ゴールするのは前提だからね?
駄目だわ。結月君は、圧倒的にロミカーには向いてない。
だったら、次のゲームをやろう。
「こ、こうですか?」
「違う。また逆走してるから」
前に進むはずの車で、何で器用に横に進めるのよ。
どういう操作をしてるのか、むしろ気になるわ。
「アクセル押して、アクセル」
「あ、アクセル…これですか?」
それブレーキ。
キキキーッ!と急ブレーキをかけていた。
かと思えば。
「あっ、こっちですね」
アクセル全開で、コースの外を突き抜けて、元気良く落下。
…私、絶対、結月君の運転する車には乗りたくないわ。
命がいくつあっても足りないわよ。
「うぅ、進むのが難し…あっ」
あ?
「この人、甲羅を投げてきましたよ…!?危険物をレースに持ち込むなんて、反則じゃないんですか?」
「…そういうゲームだから、これ…」
気持ち良く先頭を走ってたら、後ろから甲羅や爆弾が飛んでくるゲームなのよ。
「…!道の真ん中に、バナナが落ちてる…!?」
「バナナの皮ね」
「これ、踏んだら何か良いことが…」
「あっ、駄目よ踏んじゃ、」
と、言ったときには時既に遅し。
結月君のカートは、バナナの皮でつるりんと滑り、横転。
…あーあ…。めちゃくちゃよ、もう…。
「何で道の真ん中に、こんな危険物が落ちてるんですか…!?」
「…だから、そういうゲームなのよ…」
「道路交通法違反ですよ」
「…そういうゲームなんだって…」
現実じゃないから。ゲームだから。
空も飛ぶし、キノコで加速もするし、甲羅も飛んでくるのよ。
CPU相手なら何とかなる、と思っていた私が甘かった。
ゲームセンターでも、ろくに前に進まなかった結月君は。
CPU皆がゴールして、暇を持て余し、何なら昼寝でも始められそうなくらい、たっぷりと時間をかけて。
「はぁ、やっとゴールした…!」
「…おめでと…」
「ほら、僕もやれば出来るじゃないですか」
そう。
喜んでるところ悪いけど、これ、ゴールを祝うゲームじゃないから。
速さを競うゲームだから。ゴールするのは前提だからね?
駄目だわ。結月君は、圧倒的にロミカーには向いてない。
だったら、次のゲームをやろう。