星と月と恋の話
「お、貼ってある貼ってある…」

クラス分けの一覧が貼り出されている二年生の掲示板の前に、人だかりが出来ていた。

私もその中に入って、掲示板を見上げた。

えーと…。まずはAクラス。

星野…星野は、ない、と。

結月君の名前も見当たらない。

ってことは、二人共Aクラスではないのね。

じゃあ、Bクラスかな?

視線を移して、Bクラスの名簿一覧を確認する…が。

こちらも見つからない。

あれぇ?ちょっと焦ってきたぞ?

私、ちゃんと進級出来てるよね?実は留年でした、なんてオチじゃないよね?

新学期に留年を知らされるなんて、一生モノのトラウマになるわよ。

そんなはずは。ギリギリではあるけど、赤点だって回避してたし…。

いや、そんな不安になるような成績を取るな、って話だけど…。

あ、そうだ。ほら、結月君の名前も見つからないから。

結月君の成績で、留年はまず有り得ないから。

多分CクラスかDクラスに名前が、

「あっ。あった」

見つけるときは、あっさりだった。

Cクラスだわ、私。

そして…気になるもう一人の名前も。

「よし、よし…よし」

思わず、満面の笑みを浮かべながら。

私は何度も小さくガッツポーズをしながら、Cクラスの教室に向かった。

これから一年を過ごすことになる教室に、足を踏み入れる。

まず最初に話しかけてきたのは。

「星ちゃ〜ん!良かった〜!」

「今年も一緒だよ〜!」

「真菜〜!海咲〜!良かったー!」

私は、出迎えるように待っていてくれた二人に抱きついた。

やったね。

今年も、この二人の女友達と同じクラス。

これは嬉しい。

一人だけ別のクラスとかだったら嫌だなーって、ずっと思ってたよよ。

やっぱり、仲良しの友達と同じクラスだとテンション上がるわよね。

これだけで、もう今年一年安泰よ。

楽しくなりそう。

そして。

「名簿見た?正樹と隆盛も、Cクラスなんだよ」

「うん、見た見た」

仲良し5人組、今年も同じクラスなんだよ。

いやぁ、先生達も分かってるよね。

仲良しグループを、ちゃんとひとまとめにしておいてくれた。

粋な計らいをありがとう。

…そして、何より嬉しいのは。






「…おはよ、結月君」

「…おはようございます」

君と、また今年も同じクラスだってことだよ。
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