星と月と恋の話
しかし。

そんな私の、ちょっとした暗い気持ちは。

行きつけのカラオケルームにやってくる頃には、何処かに消えていた。

何と言っても、久し振りに湯野っちや、その他のクラスメイトと一緒に遊びに来たんだもの。

楽しいに決まってる。

このメンバーで遊びに来るなんて、一体いつぶりだろう?

また同じクラスになれて、本当に良かった。

過去イチで当たりなクラス替えだったなぁ。

多分、湯野っち達にとってもそうだったのだろう。

彼女達もテンションが高かった。

ドリンクバーのドリンクを、何種類か混ぜて一気飲みするくらいには、羽目を外していた。

ロシアンたこ焼きを注文して、ワイワイするくらいには盛り上がっていた。

ここまでは、まだ良かった。

いや、ロシアンたこ焼きは心臓に悪いから、あまり良くなかったけど。

それでも、ここまでは笑って流すことが出来た。

…しかし。

それを最初に提案したのは、他でもない、親友の湯野っちだった。

「ねぇ、皆で一人ずつ歌ってさ、採点バトルしようよ」

湯野っちはおもむろに、いつかの正樹と同じ提案をした。
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