星と月と恋の話
…って、いつまで瑠璃華ちゃんの説明してるんだ。

今作の話しようぜ。脱線して済みません。

改めて今作の主人公、星野唯華ちゃん。

名前には困りませんでした。スッと出てきた。スッと。

名前に困らないキャラというのは、それだけで有り難いものです。

下手したら、名前決めるだけで三日費やすこともあるので。

桜崎にしては珍しく、彼女の呼び名は名字でしたね。

星ちゃんって。シンプルだけど可愛くないですか?

そしてそんな星ちゃんですが、これまでの桜崎の作品では、およそ出てこなかったであろう性格をしています。

今作のコンセプトの一つとして、「クラスの陽キャ代表」と「クラスの陰キャ代表」が付き合うという展開を予定していました。

そこで星ちゃんは、私が思う陽キャの特徴を、全面に押し出しています。

桜崎にとって陽キャって、星ちゃんや、星ちゃんのお友達みたいな人達のことなんですけど。

実際のところどうなんですか?

陽キャを書きたいと思いながら、その最大の問題は、作者が「クラスの陰キャ代表」ポジションだったせいで、陽キャの気持ちが分からないという点です。

従って星ちゃんは、あくまで「陰キャの目から見た陽キャ」でしかありません。

陽キャの気持ち?分かる訳ないだろ。

そもそも、陽キャとか陰キャとか区別してるのは、大抵陰キャの人なんじゃないかなと思います。

本当の陽キャは、多分自分のことを陽キャだとは思ってませんよ。

陽キャなのが普通なんだから。

桜崎の陽キャイメージを総動員して出来上がったのが、星ちゃんです。

悪い子ではないんだろうけど、しかし罰ゲームで他人に告白する、っていうのはどうかと思うよ。

それにしても、罰ゲームで告白するって、実際にあるんですか?陽キャの中では。

あれはあくまでフィクションで、都市伝説みたいなものだと思ってるんですが。

本当にあるんだとしたら、それは最低だと思う。

結月君も言ってたけど、やって良いことと悪いことってものがあるよ。

その点、星ちゃんはちゃんと反省してて、そこは偉いと思う。

発案者の正樹君や真菜ちゃん達は、反省すらしてませんから。

バチが当たるぞ。

陽キャな星ちゃんですが、クリスマスイブのあの件で、心を入れ替えました。

最初は、地味でつまらない、おまけに貧乏臭い結月君にドン引きしていましたが。

時間が経つにつれて、段々攻略されてましたね。

実際はそんな展開は、なかなか有り得ないと思います。

小説なんてそんなものです。

別に星ちゃんに嫉妬してる訳じゃないけど、あの結月君が相手だったら、そりゃいくら結月君が陰キャでも惚れるわ。

好きになる要素しかないもん、結月君。

星ちゃんの解説なのに、星ちゃんについて書くことが見つからないのは、彼女が主人公として、書くのが難しい部類に入るからです。

何だろう。私の中で星ちゃんは、あくまで陽キャな主人公という位置づけしかない。

ただ、結月君と付き合うことによって、これまでの友達との関係にヒビが入っている状態にあるのは可哀想かなと思います。

当初は、結月君と本気で付き合うに当たって、真菜ちゃんや海咲ちゃんといったお友達とは、段々フェードアウトしていく予定でした。

そもそも最序盤は、お友達に名前をつける予定もなかったしなぁ。

それが今や、お友達も割とキャラが立っているという。

この作品はここでおしまいですが。

もしこの世界がこのまま続くとなると、今度こそ星ちゃんのお友達は、星ちゃんから離れていくんじゃないかと思います。

それでも星ちゃんは、結月君一人を選びそうですが。

あ、言い忘れてましたが、星ちゃんは美少女です。

要るか?その設定…。

美少女は皆好きだろ?そういうことです。




はい、じゃあ次。結月君。

君は書くことがいっぱいあるぞ。思い入れが違うからな。

桜崎自身が陰キャなので、星ちゃんより遥かに、結月君の気持ちは分かりやすいです。

フルネームは三珠結月君です。

序盤「三珠クン」と、カタカナで君呼びされているのは、クラスで一番の陰キャである結月君を小馬鹿にしている証拠です。

酷い話だ。

奏君みたいに、幽霊なんてあだ名をつけられていないだけ、まだマシなのかもしれない。

奏君と同じクラスになったら、この二人は仲良くなりそうだけど。

残念ながら、この二人が同じクラスになるのは、ストーリーの最終盤、二年生のクラス替えが初めてなので。

多分、これから仲良くなるんじゃないかな。

結月君は奏君に比べると、相当肝が据わってます。

普段は猫を被ってるので、そういう風には見えませんけどね。

基本的に誰にでも平等に接するし、自分の意志をしっかり持っている子です。

それだけに、曲がったことと言うか、不義理なことが嫌いです。

だから「ネタばらし」のときの結月君、あれが彼の本性ですね。

私は好きです。

あのシーン、本当書いてて楽しかった。

陰キャの叫びみたいなのが、伝わったんじゃないかと思います。

そんな結月君ですが、付属品みたいな設定が色々ついてますね。

まず、お家が貧乏。

お金がないので、お金のかからない、お弁当持参のデートをするというその姿勢は、個人的には好感が持てます。

人によっては、貧乏臭くて無理だと感じるかもしれませんが。

私は割と好きだな。下手に気取るより、よっぽど潔くて。

それから、結月君はマザコンです。

母一人子一人、結月君のあの優しい性格、しかもお母さんの身体が弱いとなると、マザコンになるのも無理ないですが。

星ちゃんも言っていたように、愛すべきマザコンですね。

家事能力高過ぎてヤバいよ、この子。

女子より女子だもん。

そして、多分皆さんが思っているであろう、一番謎な設定が師匠のことなんじゃないかな。

結月君は、無月院流という柔術を継承しております。

結月君お前、無月院流の人だったのかよ。

「懐かしっ!」って思った方、いらっしゃいますか。

私も懐かしいです。

無月院流っていうのは、桜崎が昔、大昔ですね。考えた不動の流派です。

かつて、過去様々なキャラクターが無月院流に触れてきましたが。

この世界は、無月院流初出の作品より、かなり後の世界なので。

どんだけ長続きしてんだ、無月院流…。

まぁ、あれです。難しく考えなくても、柔道か何かやってる、くらいの感覚で良いです。

最初は、こんな設定をつけるつもりはなかったんですが。

視点結月君サイドに、もう一人くらいキャラを増やした方が円滑にストーリーが進むと判断し。

急遽、加賀宮さんが登場しました。

成程、そういうことだったのか。

星ちゃんは、まだ結月君が無月院流の道場に通っていることを知りませんので。

これを知ったら、またポカーンになるんじゃないかな。

結月君って本当、叩けば叩くほど、色んな秘密が出てきて面白いな。

伊達眼鏡の設定も、最初はなかったんですが。

何で伊達眼鏡かけてるのかというと、実は、結月君が星屑学園に入学当初、

「クラスメイトと話すの苦手だな…。あまりクラスメイトに話しかけられたくない。」

→「あ、そうだ。頭が良い奴だと思われたら、皆敬遠して話しかけられないんじゃないか。」

→加賀宮さんに相談、「頭の良い人だと思われるには、どうしたら良いと思いますか?」

→「…眼鏡をかけたら良いんじゃないか?」「成程」みたいな。

そんな経緯があります。

これは完全に裏設定ですね。

別に、特に必要のない裏設定ですが。

裏設定と言えば、もう一つ。

結月君の名前ですが、実は当初は名前が違いました。

確か最初は「若葉(わかば)」君って名前だったんですよ。

でも、いまいち可愛らし過ぎるかなと。

それから、星ちゃんが「星」だったので、恋人が星と来たら、そのお相手は「月」とかどうだと思って。

で、今の名前になりました。

どっちが良かったですか?

なんかペラペラ喋って申し訳ないですが、一つ言いたいことがある。

君、星ちゃんの彼氏やめて、私の彼氏になってくれな(ry。
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