あやかし学校
☆☆☆

学校に到着すると教室内が少しにぎやかになっていた。


「どうかしたの?」


後ろの席の友人に聞いてみると、今日転校生がやってくると言う。


しかも双子の兄妹なのだそうだ。


そう聞いた瞬間、二人の顔を思い出す。


まさか、そんな都合のいい話なんてないよな。


そう思い直して自分の席につく。


あのふたりは僕を助けたせいで力つきてしまった。


そしてみんなから自分たちの記憶を消して、消えていったんだ。


思い出すと胸が痛くて涙が出てきそうになる。


本当にあのふたりがまたここへ来てくれたらどれだけ嬉しいか……。


今は空席になってしまった両隣の席。


こんな場所が空いていた事自体がおかしなことだったんだ。


これもきっと、妖怪だった彼らが仕組んだことだったのかもしれない。


そんなことを考えている間に先生がやってきた。


「今日は転校生を紹介するぞ」
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