素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「リリアはもう帰ったの?」

「うん、ついさっきだよ。ダニエルが迎えにきたから」

「そっか。待たせてごめん。心配だから、今度からは俺が来るまでは店の中で待ってて」

 その言葉にうんと頷いて、ぎゅっと手を握る。ゴトフリーと居ると、やっぱり大好きだからこそ緊張はしてしまう。ただ、心と裏腹の言葉を言ってしまう癖はマシになってきた。

 彼はきっと、どんな部分を見ても、自分のことをバカにしたり、嫌いになったりしないという信頼感が出てきたのだ。付き合ってから、幾度も幾度も愛の言葉をくれる彼のことを、知れば知るほど、大好きになっていく。

「……ゴトフリー、あのね、私ね、こうやって、夜に彼氏に迎えに来てもらうの、すごく憧れてたんだ。だからありがとう」

「ん、お礼を言われることじゃないよ。俺も仕事終わりに、アリスに会えるの嬉しい」

 ゴトフリーは優しくていつも理想的な彼氏だ。アリスが「してほしい」と言う事はかなりの確率で叶えてくれようとするし、大事な時に言葉に詰まってしまうアリスのことを今では理解してくれて、時間をかけて辛抱強く待ってくれる。

「団長さんにお説教されたの?」
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