素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 話している内に気分の高揚してきたアリスを見て目を細めると、体に腕を回してぎゅっと抱きしめた。

「アリスは何色でも似合うと思うけど、ドレスやアクセサリーは俺が全部用意するから大丈夫だよ」

「ほんと? 嬉しいな。リリアから舞踏会の話は何度か聞いてたんだけど、今年は私も出られるんだね。すごく楽しみ」

「……そうだよ。これからは毎年俺と一緒に出よう。実は明日、ドレスの採寸の予約してるんだ。結構時間がかかるみたいだから、もう今日は寝ようか」

 うん、と笑って頷いたアリスをもう一度ぎゅっと抱きしめると、ゴトフリーは耳元で囁いた。

「好きだよ。アリス。君がいないともう生きていけない」

「ふ、大袈裟だよ。ゴトフリー、どうしたの?」

「大袈裟じゃないよ。こんなに誰かを好きになったのは、初めてだから、すごく怖いんだ」
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