素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「アリス……せっかく会えたんだけど。俺、ちょっと体調の悪い先輩の勤番を代わらなきゃいけなくて明日の朝まで仕事だから、今日は一緒に帰れないんだ」

 その言葉にちょっと口を尖らせたアリスに唇を重ねるとぬるりとした分厚い舌を差し込んだ。その柔らかな熱に夢中になり、くちゅくちゅとした水音がして久しぶりのキスを堪能する。立ったままだったから、背の高い彼のその首に手を回して自らもっともっととねだるように唾液を飲み込んで舌を絡めた。

 息苦しくなってようやく離れた時は言葉もなく、間近でお互いに潤んだ目を見つめ合った。何か誘われるようにゆっくりと彼の手がアリスのシャツを捲り上げて、その柔らかな胸を揉み始める。

「あっ……や、ゴトフリー。こんな所でダメだよっ……やんっ」

 固い指先で胸の先の尖りをつよく摘みあげられて甘い声を出してしまう。すぐ近くにある紺色の目には欲望の光が灯っているのに気がつく。

「かわいい……ごめん。ずっとアリスの事ばかり考えていたから、なんか……止められない」
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