素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「アリスさんもかわいくてお姫様みたいだから、丁度いいんじゃないかな。それに、嫉妬されない人生より誰かに嫉妬されるくらいの人生を僕は選ぶけど」

 レオのその言葉にアリスは頷いた。それもそうだ。名前も知らない誰かにどう思われるかどうかなんて気にしていたら、きっと生きていけない。竜騎士のゴトフリーと付き合っている時点でどうしても羨望の眼差しは集まるのだから、ここで彼の同僚何人かと踊ったところで何だって言うんだろう。

「さ、そろそろ王の挨拶があって、それから音楽が始まるよ。アリスちゃんと踊る順番はもう決めているから、今夜は楽しもう」

 そう言ったナイジェルの言葉に頷くと、魔法の灯が効果的に灯されて明るい大広間に王の登場を知らせる大きな音が響いた。
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