素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 軽口を叩いてゴトフリーの肩を叩くと、ナイジェルは笑った。自分の周囲に集まった背の高い五人の竜騎士を見回すと、アリスは言った。

「なんだか、不思議だね。あの飲み屋で会った時は皆と舞踏会で踊ったりするなんて思わなかったな。あの……ゴトフリーは伝えてくれているかはわからないけど、私ダンスあんまり得意じゃないから、それだけはごめんね」

 しゅんとして言い出したアリスに大きな体のエディは笑った。

「ちゃんと聞いてるよ。体を動かすのが仕事だしダンスのリードくらい俺達はお手の物だから心配しなくて良いよ。それに女の子はちょっと鈍臭いくらいがかわ……」

「エディ、それって俺のアリスが鈍臭いって言いたいの?」

 ゴトフリーの刺すような視線にエディは大袈裟に体を震わせた。その姿を見て全員で笑ってしまう。

「ふふ、鈍臭いのは本当だよ。でも、皆素敵。どこかの王子様達みたいだもん。きっと城中の女性から嫉妬されちゃうな」

 また見回して嬉しそうに言ったアリスに今夜は珍しく眼鏡を外しているレオは首を傾げて言った。
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