素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 その事実に気がついてしゅんとして俯いたアリスに、ナイジェルは優しく言った。

「あいつはそう言ってもらえて嬉しいと思う反面、複雑だったんだと思うよ。アリスちゃんの彼氏はさ、この国の中でも珍しいくらい自慢出来る恋人だと思うから、それを素直に喜んであげて欲しいな」

 そう言って片目を閉じた彼に、よく考えた上でアリスは言った。

「うん、ありがとう。ナイジェル。私ね、誤解してたみたい。確かに私はゴトフリーが怪我したりするのは嫌だけど、彼がそれを一生の仕事に決めて頑張っているのなら応援してあげたい」

 そう言ったアリスの髪にナイジェルはそっとキスをした。その仕草を見て不思議そうな顔をするアリスに彼は笑った。

「俺も、そう言って貰える恋人見つけるぞってそう思って願掛け……うわ。ゴトフリーがすぐに殺しそうな目つきでこっち見てる。ちゃんとフォローしといてね。アリスちゃん」

 そうやって戯けて笑ってくれた彼はゴトフリーのことを大事に思っているんだなって思って、なんだかすごく嬉しく思ってしまった。
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