素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「ゴトフリーはね、物凄く負けず嫌いなんだ。僕たちは同い年だしあいつのことを幼い頃から知っているけど、その頃から絶対に勝てない二人の存在があったから、それこそ死ぬ思いで必死で努力していた。同じ立場にあるはずの僕は早々に諦めてしまった高い壁に登るために、どんな時も自分を律して食らい付いていたんだ。そんなあいつが惹かれる女の子って……まあ人って自分にないものを求めるからね、何のコンプレックスもない、言葉は悪いかもしれないけど、いわゆる深く考えることを放棄しているようなちゃらんぽらんな女の子が多かった。それに面食いなのでも有名だったからね。あんまりこういうことは言いたくはないけど、容姿の良い女の子って誘いが他にいくらでもあるから、移り気な子が多いのも事実だから」

 そう言ってアリスの顔をしげしげと見るから、なんだか、居心地が悪くなってしまう。

「えっと……今回は好み変わったなって言いたいってこと?」

 その言葉に軽く吹き出した彼は首を振った。
< 247 / 292 >

この作品をシェア

pagetop