素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 緑竜はその姿を見つけ、二人のすぐに傍に降り立ち大きな翼を畳んで心配そうに見つめている。ようやくすこし落ち着いてきたアリスは手を伸ばしてその顔を撫でて、会えたことを喜んだ。アレックもキュルキュルと嬉しそうに鳴いた。

「アリス、アレックは本当に心配していたんだ。さっきの叫び声はこいつだよ。アリスが心の何かを言って、それを聞いて辛くて思わず叫んだんだ。俺にはとても聞かせられないって隠すんだ。なんて思ったの?」

 その視線は隠すことを許さない、とそう言っている。アリスは目を伏せつつ、声を出した。

「……ん……最後にね、ゴトフリーに会いたかったって……そう思ったんだよ」

 それを聞いてゴトフリーは歯を食いしばり、何かに耐えるように身を震わせた。それを見たアリスは話題を変えたくて、さっき聞いた言葉を思い出した。

「ゴトフリー、皆って……竜騎士団が来てるの?」
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