素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
「皆、アリスのことを助けに来たんだよ。でも、アリスの竜騎士は俺だけだから」

 その言葉に隠されたつよい独占欲にアリスは微笑んだ。どんなにたくさんの素敵な竜騎士が居たとしても、アリスが選ぶのはゴトフリーただ一人なのに。

「……アレックにね、大好きだよって伝えてって言ったんだけど、伝わった?」

 悪戯っぽく微笑んだアリスに、ゴトフリーはキスを落として微笑んだ。

「……その言葉の伝言ゲームは禁止にしよう。それはいつでも俺に直接伝えて。いつだって、どこにだって、俺はアリスの元に行くから」

「ゴトフリーとアレックがきっと迎えに来てくれるって、そう思ってなかったらきっと心が潰れてしまってた。本当に助けに来てくれてありがとう」

 その言葉を聞いたゴトフリーはその紺色の瞳から涙を流した。泣き虫のアリスが泣くことは、よくあるけれどまさかこの彼が泣くなんて思わなくて、何も言えなくて、じっと見入った。

「アリスが攫われたと聞いてから、不安で、たまらなかった。今無事だとわかったから……ごめん。止まらない」

 ゴトフリーの両手はアリスを抱いているので塞がってしまっている。アリスは手を伸ばして彼の涙を拭った。

「心配かけてごめんね」

 うん、と言って泣き笑いしてくれた彼が、本当に愛しくて、大好きで、アリスもやっぱり一緒に泣いてしまった。
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