素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる

08 いや

 その時、産まれて初めて間近に竜を見たアリスは、そのつぶらな黒くて可愛い目を見上げながら呟いた。

「え、おっきい」

「ぶっ……」

 すぐ背後でその言葉を耳にした途端、吹き出したゴトフリーが思い出したことがわかってしまったアリスは顔を赤くした。

「ちょ、ちょっと、何笑ってるの」

「あ、ごめんごめん。ちょっと想像してなかった反応で、今のは完全に不意打ちだったから避けきれなかった。本当にごめん」
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