【6/5書籍発売】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【9/12シーモア先行コミカライズ連載開始】
 照り焼きの肉が入ったサンドイッチを取り上げながらアリスは言った。あの緑竜ならば自分もきっと選んでしまうだろうなと思いながら。

「……ん、俺がアレックを選んだ理由が聞きたいの?」

 その大きな口で一口でサンドイッチを食べてから、調味料がついてしまっていた親指を舐めながらゴトフリーは言った。そのちらっと見えた舌がすごく柔らかかったことを思い出してしまったアリスは、慌てて彼が保温の魔法がかかった水筒から注いでくれた熱いお茶に口をつけた。

「う、うん。私、アレックを一目見て気に入ったから、ゴトフリーもそうかなって思ったの」

「あいつに一目惚れしたの? ……そうだな。ヴェリエフェンディの竜はさ、成竜になったその年から年に一度だけ竜騎士を選ぶんだけど、アレックが成竜になった年に一緒に成竜になった力の強い竜が二匹居てね。その二匹の竜は体も大きくて目立っていたから、アレックはその影に隠れてちょっと目立たなかったな」

 その時のアレックの様子を思い出しているのか、ゴトフリーはふっと優しい笑みを浮かべた。

「えっと……目立たないとこが良かったの?」
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