素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる
 夕焼けに染まっていく空を見ながら、いつになれば自分はゴトフリーに思っていることを伝えられるようになるのだろうとため息をついてしまったアリスに、ゴトフリーは抱きしめるように手綱を握る手を回しながら語りかけるように言った。

「今日は本当にごめん。つい夢中になって我を忘れた……俺はアリスのことを簡単だなんて思ったことは一度もないよ」

 その絞り出すような言葉に何を返して良いかわからなくて、やっぱりアリスは何も言えなかった。
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