殺すように、愛して。
「瀬那、俺が死んだり誰かに殺されたりしたら、瀬那は自ら命を絶ってくれるよね。弟を犠牲にしてでも、そうしてくれるよね。瀬那」

「あ、ああ、まゆずみ……」

「自殺、してくれるよね」

「あ、ん、まゆず、み、まゆずみ……、あ、は、おれ……」

「弟、犠牲にできるよね」

「は、は、あ、し、しぬ、ん、しぬ、おれ、しぬ……、ま、まゆずみ、しんだら、は、あ、しぬ……」

「瀬那、可愛いね。弟に聞かれた時は言い淀んでたのに。可愛いね」

「は、はあ……、あ……、おれ、まゆずみ、が、いない、と……、だめ……、だめ……」

「そっか。俺なしじゃ生きられない瀬那、可愛いね」

「ん、ああ、はあ、まゆずみ……、まゆずみ……」

「兄を殺して捨てた俺と、弟を道連れにして捨てる瀬那。不要で邪魔なものであれば容易に手放せる俺と瀬那は、どこからどう見ても、どう考えても、相性がいいよね。運命よりも強い結びつきは、絶対切れないよ。死んでも絶対、切れないよ。瀬那は最初から、俺の、俺だけの、オメガだから」

 瀬那以外は、何もいらない。瀬那だけいれば、それでいい。瀬那。瀬那。気持ちよすぎて馬鹿になってる瀬那も、可愛いね。黛の息が、声が、攻められすぎて麻痺しかけた耳を擽った。鼓膜を擽った。脳味噌を擽った。五臓六腑を擽った。黛の圧倒的な支配と執着に、俺は突き落とされるように陥落していった。まゆずみ。まゆずみ。俺だけの、まゆずみ。俺だけの、アルファ。まゆずみ以外は、何もいらない。まゆずみだけいれば、それでいい。まゆずみ。まゆずみ。馬鹿になるほど、気持ちよすぎてたまらない。
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