殺すように、愛して。
「瀬那。発情期が来たら、噛んであげるよ。早く来てくれたらいいね」

「ん、ん、はやく、おれ、まゆずみの、つがいに、なりたい……」

「瀬那は俺の番だよ。死ぬまでずっと、死んでからもずっと。俺の番だよ。瀬那が死ぬ時は、俺も一緒に死ぬからね」

「ずっと、いっしょ……、しぬときも、いっしょ……。まゆずみは、おれの、あるふぁ……」

「そうだよ、瀬那。可愛いね、瀬那」

 本番は、瀬那がもっと悦ぶことをしてあげるね。指で髪を梳きながら宣言され、あ、もっと、と先程のプレイ以上の善いことを想像して期待する。死ぬほど気持ちいいことしか思い浮かばなかった。まゆずみ。まゆずみ。気持ちよすぎて死んだら、まゆずみもついてきて。あの世でも、たくさん虐めて。まゆずみにされることは全部、痛みも苦しみも全部、快楽に変わるから。もっと俺を壊して。壊していい。まゆずみ。俺のまゆずみ。俺のアルファ。

 イヤホンで縛られていた腕の拘束が解かれる。両手が自由になると、俺は迷うことなく黛の背中に手を回した。瀬那、と抱き締め返してくれる黛の体温に、両手両腕に、酷く酩酊し、それが逆に安心する。まゆずみ。まゆずみ。まゆずみ。壊れたように呟いて、呟くと、瀬那、可愛いね、といつの間にか欲しくなっていた言葉を捧げてくれた。俺は黛のオメガ。黛は俺のアルファ。約束された結末。決定事項。その時が来るのが今から待ち遠しい。そう思ってしまうくらい、俺はサディストなアルファを強く求めるマゾヒストなオメガと化していた。黛以外、何もいらない。黛がいればそれでいい。黛は俺の、アルファ。俺だけの、アルファ。そして。俺は。俺は黛の──

「瀬那は俺の、俺だけの、オメガだよ」



END
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