Honey Trap



ベッドにもたれかかる男に跨る、見知らぬ女。

その刺激的な構図に、アイドルが着るような甘い服装が不釣り合い。


子供が目撃するにはなかなかに衝撃的な光景。


「きゃ、」


かわいらしい声を上げたって、その心の奥底に持っている狡猾さは隠しきれていない。


部屋にこもった熱、纏わりつく汗。

キモチワルイ。


「…誰、この子」


男の瞳は、初めから女を映してはいない。

試すように私をその瞳の中に映し出すから、捕われてはいけない気がして私の瞳はゆらゆらと揺れた。


「久しぶりだな、美千香」

「……」


あぁ、質が悪い。

この男も、女も。


無垢な子供のように、不安そうな色を表情に貼りつけて視線を男と女、交互に送る。


「…お姉さん、かわいそう」



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