社長は身代わり婚約者を溺愛する
そして、その日は意外にも早く訪れた。

仕事中に、信一郎さんからメールが入ったのだ。

【今日、俺の家に来ない?】

信一郎さんの家。

この前に続き、2回目だ。

【うん。行く。】

1度目は、芹香として泊まったけれど、今回はちゃんと私だって堂々と言える。


あっ、夕食どうしようかな。

今から、楽しみ。


あまりにも楽しみ過ぎて、鼻歌を歌っていたら、下沢さんに顔を覗かれた。

「えっ?」

「何?何かいいことあったの?」

「いや、何でもない。」

そう言えば下沢さんって、私の事好きみたいだよね。

しかも、彼氏と別れた事になっている。

これは、ちゃんと説明した方がいいかな。


「下沢さん、ちょっといいですか。」

「何?」

私は下沢さんと廊下に出た。

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