社長は身代わり婚約者を溺愛する
えっ?もう結婚ありきなの⁉

「待ってよ、芹香!」

『許してね、礼奈。』

そう言って芹香は、電話を切った。


私は急いで、信一郎さんに電話をした。

『礼奈?』

「信一郎さん、芹香と会うって本当?」

『ああ、今度の食事会の事か。』

食事会。そんなんで、話は終わらない。

「いつ?どこで?何時から?」

『おいおい、慌てるなよ。』

信一郎さんこそ、呑気にしてないでよ。


『気にしないで、大丈夫だから。』

「でも……」

『俺には、礼奈がいるんだから。』

信一郎さんの言葉に、ほっとする自分がいた。

「分かった。」

ここは一旦、引いた方がいい。

私は電話を切ると、ベッドに横になった。

絶対、芹香のお父さんは、結婚の話を進めてくる。
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