社長は身代わり婚約者を溺愛する
何とか、引き止めないと!


私は週末、芹香の家を見張っていた。

十中八九、食事会とかは、週末に持ってくるはずだ。

そして、11時過ぎ。

家から、芹香とお父さんが出て来た。

やっぱりそうだ。

張っておいて、よかった。


二人が車に乗ったのを見届け、私もタクシーに乗った。

「前の車を追いかけて下さい。」

「はい。」

タクシーの運転手の人は、運転が上手くて、微妙な距離を保ちながら、芹香たちの車を追ってくれる。

やがて、前の車は趣のある小料理屋に入って行く。

私はタクシーを降り、庭からその小料理屋に入って行く。

こんな泥棒みたいな事、本当はやってはいけないと思うけれど、今回だけは見逃して!


奥に奥に入って行くと、窓際の部屋に、信一郎さんがいた。

一緒にいるのは、ご両親かもしれない。

これは、本格的なお見合いの席?

胸が不安だらけになった。

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