社長は身代わり婚約者を溺愛する
うわっ!信一郎さん!

それは、芹香にとって禁句だよ~!

「芹香、これはっ!」

きっとあの書類には、配達員のあの人の情報が、載っているんだろうなぁ。

「お父さん、落ち着いて下さい。」

芹香、怖いくらいに冷静になっている。

「この方とは、既に別れています。」

「本当ですか?」

「はい。身分が釣り合わないからと、彼から別れを切り出されました。」


芹香、よくその事を言ったね。

ううん、もしかして信一郎さんに対して、本気だから?


「信一郎。こんな綺麗なお嬢さんなんだから、恋人の一人くらいいたって、仕方ないじゃないか。」

「そうね。もう別れているって言う話ですし。」

びっくりしたのは、信一郎さんのご両親、この結婚に乗り気なの?

「結婚した後は、信一郎一人にして頂ければいいのだから。」

「そのつもりです。」

ああ、このままじゃあ、本当に結婚の話がまとまってしまう。

ここで、出て行くべきか。

どうする⁉私!!

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