社長は身代わり婚約者を溺愛する
「信一郎さんが……」

胸がじーんとしてくる。

信一郎さん、5,000万払ってくれたんだ。


「おまえは、いい奴を見つけたな。」

「うん、私もそう思う。」

問題は、芹香だよね。

未だに、信一郎さんと結婚しなきゃいけないって、思ってるのかな。

そして、タイミングよく芹香から、電話がきた。

私は、居間でその電話を受けた。

「芹香。」

『……慰謝料、払ったのね。』

「聞いたの?信一郎さんが、払ってくれたんだよ。」

『黒崎さんが?』

芹香は、電話の向こうで驚いている。

『慰謝料を払ったと言い、結婚を断ると言い、礼奈のいい方向に話は進むのね。』

その言い方に、ちょっとムッとした。

「私達、愛し合っているの。」

『散々聞いたわ。その話。黒崎さんからも。』

「えっ?」

『食事会の時……』

ー 俺は、礼奈を愛しているんです -

ー 愛している人と結婚します。だから、芹香さんとは、結婚できません -


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