社長は身代わり婚約者を溺愛する
私は家を出て、夜道を辿った。

芹香の家は、直ぐそこだ。


しばらくして、芹香の家が見えて来た。

電気はついている。

お父さんはいるだろうか。

私は玄関に回ると、インターフォンを鳴らした。

「森井です。」

さすがいつも遊びに来ているだけあって、直ぐに入れてくれた。


芹香は、玄関で待っていた。

「どうしたの?こんな時間に。」

「芹香のお父さんに合わせて。」

「何?お父さんに、信一郎さんの事を話し合うつもり?」

「それしか、私ができる事はないわ。」

芹香とにらみ合いが続いた。

「どうしても、信一郎さんを諦められないの?」

「そうよ。」

すると奥から、芹香のお父さんがやってきた。


「礼奈ちゃんか。今日はどうした?」

「信一郎さんと芹香の結婚について、話し合いに来ました。」

私は毅然とした態度で、芹香のお父さんに迫った。
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