社長は身代わり婚約者を溺愛する
「芹香さんの話になって、娘も結婚を楽しみにしているって。」

「それは、合っているかも。」

「えっ?」

信一郎さんは、軽く驚いている。

「この前、芹香の家に行ったの。」

「そして?」

「二人に結婚の意思はないって言ったんだけど、芹香のお父さんは話聞かないし。芹香は、人が変わったように、私がお見合い相手だって言うし。」

「話が通じないのか。」

「そう。芹香、お母さんの為に、この結婚を成功させようとしているのよ。」

すると信一郎さんは、私の頭を撫でてくれた。

「礼奈は、優しいな。」

「そう?」

「そうだよ。芹香さんの事、すごく考えているし。」


私は、芹香と笑い合った日々を、思い出していた。

「芹香を、何とかして家から解放してあげたい。」

「うん。」

「彼女、自分の道を持っているの。それを歩ませてあげたい。」

信一郎さんは、私を片手で抱き寄せた。

「芹香さんは、幸せだな。こんないい親友がいて。」

「うふふ。」
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