社長は身代わり婚約者を溺愛する
週末は、いつも信一郎さんの家に行く事にしている。

両親も認めてくれている。

私の癒しの時間だ。


「信一郎さん。」

玄関で抱き合うと、私達は笑顔で見つめ合った。

「いつものように、ソファーでゆっくりしていてくれ。」

「はーい。」

私がソファーに座ると、信一郎さんはキッチンへ行って、コーヒーを淹れてくれる。

信一郎さんこだわりのコーヒーで、豆から淹れ方まで、人にはさせない。

私も毎週楽しみにしている、コーヒーだ。


「はい、礼奈。」

「ありがとう、信一郎さん。」

一杯飲むと、芳醇な香りが漂ってくる。

「うん、美味しい。」

「よかった。」

すると信一郎さんが、私の隣に座る。

この時間が、一番幸せ。


「そう言えば、また芹香さんのお父さんに会ったよ。」

「えっ?何で?」

「俺に、媚を売りたいらしい。」

そこまでして、繋がりたいの?
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