社長は身代わり婚約者を溺愛する
信一郎さんに言われると、元気が出る。

ああ、やっぱり私。

信一郎さんと一緒にいたい。


その時だった。

インターフォンがゆっくりと鳴った。

「誰だろう。」

信一郎さんが、インターフォンを見ると、「わっ!」と驚いた。

「どうしたの?」

「芹香さんがいる。」

「えっ⁉」

私もインターフォンを見ると、そこにはおめかしした芹香が立っていた。


「どうして、ここに?」

「大方、俺の両親にでも教えて貰ったんだろう。」

そんな!ただのお見合い相手に、家を教えるの?

「居留守使う?」

信一郎さんは、静かに頷いた。


『開けて、黒崎さん。』

芹香は、明るい声で話しかけてくる。

『今日、家にいるのは知ってるのよ。』

私と信一郎さんは、顔を見合わせた。

『礼奈も一緒にいる事もね。』

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