社長は身代わり婚約者を溺愛する
芹香は、まるで彼女のように、信一郎さんに近づいて行った。

「今日はお時間作って頂いて……」

「いいんです。私も黒崎さんに会いたかったから。」

そう言って、芹香は信一郎さんの腕にタッチ。


ちょっと芹香、積極的なんじゃないの?

そして、二人は大きな高級ソファーに座った。

「コーヒーを二つ。」

「畏まりました。」

店員さんが行ったところで、私は二人の側の椅子に座る。


「お客様、ご注文は如何でしょうか。」

「えっと、コーヒー。」

「畏まりました。」

私はふとメニューを見て、驚いた。

ここのコーヒー、一杯1200円するの⁉

どんなコーヒーなのよ⁉


いやそれどころじゃない。

二人が何の話をしているか、聞いておかないと。


「今日は、素敵なお召し物ですね。」

「ふふふ。ありがとうございます。」

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