社長は身代わり婚約者を溺愛する
きっと二人は、この後も止まる事なく、話し続けるんだろう。

お互いが、興味深く見えて。


その日の夜。

信一郎さんから、電話が架かってきた。

『芹香さんって、ある意味面白かったよ。』

信一郎さんから、芹香の話は続く。

「ねえ、信一郎さん。」

『どうした?』

「もう、彼女と会わないで。」


これ以上、芹香と一緒にいたら、信一郎さん芹香を好きになっちゃう。

『そうしたいけれど、もう一度だけ会う事になっているんだ。』

「えっ?どうして?」

『パーティーに一緒に来て欲しいって言われてね。』

「そんなの断ればいいじゃない。」

『礼奈、芹香さんは取引先のお嬢さんなんだ。無下にはできないんだよ。』


嫌だ。これ以上、信一郎さんが芹香と一緒にいるのは、嫌だ。

『大丈夫だから。礼奈から離れないから。』

それが薄っぺらな言葉に聞こえたのは、何故なんだろう。


そして数日後。

芹香から、パーティーの招待状が届いた。
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