社長は身代わり婚約者を溺愛する

第22話 パーティー

芹香から、パーティーの招待状が届くなんて、珍しい。

だって、芹香はお嬢様だから、何度もパーティーに行っているだろうけれど、私は今まで誘われた事がないのだ。

「それも、可笑しな話だけど。」

何だろう。

パーティーって、お金持ちの集まりだって分かっている。

私がパーティーに出席したって、そんな人達と話なんて合わない。

なのに、どうして芹香は今回、私を誘ったのだろう。


そして招待状を見て、ふと気づいた。

主催が、沢井家である事を。

ああ、そうか。

芹香が主人公だから、好きな人を呼べるのね。

私が呼ばれた事を、納得した。


「何?どうしたの?」

お母さんが、後ろから話しかけてきた。

「芹香が、パーティーの招待状を送って来たの。」

「パーティー!」

お母さんは私から招待状を奪い取ると、面白ろそうに中身を読んだ。

「へえ。皆さんに発表したい事がありますだって。」

「何だろうね。」

「こういうの、お母さん好きだわ。」

母は呑気だ。
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