社長は身代わり婚約者を溺愛する
芹香が、ニヤッとした。

「何?もう婚約者気取り?」

「もう、婚約者だから。」

「はあ?」

芹香は、首を傾げた。

「さっき、車の中で信一郎さんから、プロポーズをされた。」

「何ですって?」

「私はそれを受けた。私達は、結婚の約束をしたわ。」

芹香の手が、わなわなと震える。

「それで、信一郎さんの両親からも認められたってわけね。」

「そうよ。」


芹香は、クルッと背中を見せた。

「こうなったら、黒崎家との取引、止めさせてもらうわ。」

「えっ?」

信一郎さんが、驚いた。

「結婚はなしになったんだもの。取引もなしよ。」

「待って、芹香さん。」

信一郎さんは、焦るように芹香の腕を掴んだ。

「それとこれは、別な話だ。」

芹香は、ニヤッとしながら振り向いた。

「何?沢井家と縁がなくなったら、困るの?」

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