社長は身代わり婚約者を溺愛する
「あなただけよ。信一郎さん。」

そして私は信一郎さんの胸に飛び込んだ。

「礼奈!」

私達は見つめ合うと、キスを交わした。


「本当に、俺を愛してくれていたんだね。」

「……そうだよ。」

「誰のモノにもならずに、こんな俺を待っていてくれただなんて。」

「だって……運命の人だもの。」

そう言って私達は、笑い合った。


「礼奈。俺、新しい会社を作ったんだ。」

「うん。」

「軌道に乗って、今は全国に3支店を出している。」

「うん、うん。」

「今だったら、礼奈を幸せにできると思う。」

そして信一郎さんは、私の前に跪いてくれた。

「森井礼奈さん。俺と結婚してください。」

私は右手を伸ばして、信一郎さんの手を握りしめた。

「はい。」

信一郎さんは立ち上がると、私をぎゅっと抱きしめてくれた。

「あの日、君を選んでよかった。」


それは私も同じ。

あの時、動き出した自分の運命を、信じてよかった。


ー End -


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