社長は身代わり婚約者を溺愛する
「何か、泊まるのに必要な物を考えたら、いろんな物を入れてしまって。」

「ははは。」

信一郎さんが笑っている。

それを見ると、私も楽しくなる。

「今日、泊まる事。よくお父さんは許してくれたね。」

「父には、言ってないの。」

信一郎さんの手が止まる。


「そうか。お父さんは、知らないのか。」

信一郎さんは、困った顔をする。

「あっ、でも。関係ないから、お父さんは。」

「いや、君を抱くって事は、沢井のお父さんにも、認めて……」

「ああ!」

私は立ち上がると、何か策を見つけるように、近くを歩いた。

「……父は、信一郎さんと付き合っている事、知っているから。」

「本当?」

「お見合いを受けるって事は、そう言う事でしょ。」

「……確かに。」


本当は芹香のお父さんも、芹香自身も知らないけれど。

でも、たかが一度のセックスで、そこまで考えるかな。
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