社長は身代わり婚約者を溺愛する
そして私達は、部屋を出てエレベーターに乗り、レストランへ向かった。

「とてもお洒落ね。」

「だろ?ここが俺の一押しなんだよ。」


その時だった。

「黒崎。」

振り返ると、信一郎さんに手を挙げている人がいた。

「ああ、三崎じゃないか。」

信一郎さんとその人は、知り合いみたいで、近づいて話をし始めた。

「仕事は上手くいってるか。」

「そこそこな。」

「また、コラボできる事を祈っているよ。」

「ああ。」

仕事のパートナーでもあるのね。

そして、三崎さんと目が合った。


「ところで、可愛い子を連れているじゃないか。」

「ああ、今真剣にお付き合いしている方なんだ。」

すると三崎さんは、私に向かって頭を下げた。

私も頭を下げる。

「どこで知り合ったんだよ。」

「お見合い。おまえも知ってるだろう。沢井社長の娘さん。」

私は、ハッとした。
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