社長は身代わり婚約者を溺愛する
信一郎さんは、私の涙を拭ってくれた。

「信一郎さんに、愛されているのが、嬉しくて……」

「芹香!この気持ちは、ずっと変わらないよ。」

信一郎さんは、私をぎゅっと抱きしめてくれた。

「芹香……芹香!」

信一郎さんは、私の中で果てると、ぐったりしていた。

その身体を、私はぎゅっと抱きしめる。


その後、二人でシャワーを浴びて、服に着替えた。

「どうだった?楽しかった?」

「うん。またこういう夜を一緒に過ごしたいな。」

芹香、ごめん。

やっぱり私、信一郎さんの事、諦められない。

「そうだな。来週、また時間を取るよ。」

「うん。」

私達は、腕を組んでホテルを出た。

まるで、どこかの映画に出てくるカップルみたいに。


信一郎さんは、タクシーを停めて、私を乗せた。

「ごめん、今日は仕事があって、送る事ができない。」

「いいんです。一人で帰れますから。」

そして、手を振って別れた。

< 82 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop