社長は身代わり婚約者を溺愛する
お父さんに、帳簿を見せて貰うと、入ったお金は全て費用に回され、しかも足りない。

赤字という事だ。

「これって、今月だけ?」

「いや、ここ半年こんな感じだ。」

「半年も⁉」

お父さんは、もう疲れたように、床に座ってしまった。

「今までは何とか、銀行から借りられたが、もう貸せませんだとさ。」

「それはそうでしょ。半年も赤字続きだったら。」

「もう、ダメだ。倒産するしかない。」

「待って!」

私は、急いでバッグの中から、スマホを取り出した。


「どうするの?」

お母さんが、私の足にすがる。

「芹香に、融資して貰えないか、聞いてみる。」

両親は顔を見合わせた。

『はい、もしもし。』
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