社長は身代わり婚約者を溺愛する
「ううん。自分の生活の為だもん。」

工場に利益が出なければ、給料も出ない。

なのに、私には給料出してくれていて。

生活費はどうしていたの?

きっと、貯金を切り崩していたのかもしれない。

ああ、何でもっと早く、帳簿に気が付かなかったのだろう。


私はその足で、自分の部屋に戻り、スマホで仕事を探した。

こうなったら、選んでいる場合じゃない。

私は、手あたり次第働けそうなところに、応募しまくった。

「はぁー。これで決まればいいんだけど。」


しばらくして、メールが一通届いた。

【ご応募頂き有難うございます。一度登録の為に、来社をお願いしております。】

そして、来社の日時が選べるようになっていたが、どうやらWEB面接もしているらしい。

「WEB面接にしよう。」

私は、明日の午前中に予約を入れた。

「そうか。あの仕事は、派遣だったのか。」

派遣がどうのこうの言う時代は終わったと思うけれど、できれば直接雇用がよかったな。

ベッドに横たわりながら、ボーっと天井を見た。


今日はいろんなことがあるな。

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