社長は身代わり婚約者を溺愛する
私は、朝の信一郎さんと一緒にいる、幸せな時を思った。

あの夢のような時間は、また来るのか。

もしかしたら、芹香がお父さんを通じて、信一郎さんに言うかもしれない。

そうしたら、もう私達は会えない。


「信一郎さん……」

いつかは、諦めないといけない人。

でも、諦めようとすればするほど、好きな気持ちが溢れてくる。

これは、厄介だ。


そしてふとメールを見ると、応募したところから、履歴書を送って下さいという内容のモノが送られてきていた。

履歴書か。

今、手元にないから買ってこなきゃ。

重い身体を起こして、私は部屋を出た。

工場に寄ると、もうラインは動いていなかった。

両親共に、項垂れてお茶を飲んでいた。


「礼奈。」

私に最初に気づいたのは、お母さんだった。

「ちょっと外に行ってくる。」

「外?」

お母さんが不穏な表情を見せた。

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