社長は身代わり婚約者を溺愛する
「履歴書、買ってくるの。面接に必要だから。」

「そう。」

私がまた芹香に、お金をせびりに行くのだと思っていたのだろうか。

履歴書を買いに行くと言うと、お母さんは穏やかな表情を見せた。


工場から離れると、いつも聞こえる機械の音がしなかった。

それだけで、こんなにも寂しくなるなんて、知らなかった。

これからどうなるんだろう。

不安に押しつぶされそうになった。


「信一郎さん……会いたい。」

今日の朝、別れたばかりなのに、又会いたくなってくる。

私は、自分の頬をパンパンと叩いた。

「しっかりしろ!私がこんなんで、どうするの!」

自分にカツを入れ、私は近くのコンビニに向かった。


近くのコンビニまで、10分ぐらいで着いた。

「履歴書は……」

文房具を売っている場所に置いてあった。

「えーっと、アルバイト用と正社員用……」

迷わず正社員用の履歴書を手に取った。

お金を払って、家に着くと早速買って来た履歴書を開いた。

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