社長は身代わり婚約者を溺愛する
「ああ、工場です。」

「何作ってたの?」

「タオルです。」

「へえ。タオルねぇ。もしかして、高級な物とか?」

「いえ。普通の綿タオルです。」

下沢さん。

へえと返事はしてくれたけれど、やっぱり見下されている感じがする。


「最初は、書類のチェックしてもらおうかな。このファイルを開けて……」

「はい。」

「誤字脱字があるか、チェックしてあったら修正する。」

「はい、分かりました。」

私が誤字脱字チェック?

でも、いろんな事が学べて楽しい。


「終わった?」

2時間経って、下沢さんに話しかけられた。

「えっと……まだ1/3残っています。」

「頑張って。」

「はい。」

残り1時間、肩を叩きながら乗り越えた。

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