海色の世界を、君のとなりで。
「うちらもコート上でチームの力になれるように頑張る。報われるほどの努力をするよ」
「あっ……それは」
あの日、彼女たちにぶつけてしまった言葉だ。
俯くと、クスリと小さな笑い声が降ってくる。
「なかなかいいんじゃない?栞らしくて」
あははっと笑った中山さんは、「心に留めておく」と言ってその場を去っていった。
中山さんに続くように、あとの二人も去っていく。
「仲直りできたみたいだね。本当によかった」
花が咲くようにふわっと笑う可奈。
この笑顔だ、わたしが守りたかったものは。
彼女がこの笑みを絶やすことがないように、優しい瞳が涙に濡れることがないように、わたしはいつまでもそばで守ってあげたいのだ。
出会ったときから、ずっとそう思っている。