君の甘い笑顔に落とされたい。
「……これぐらいなら、いいよね?」
誰にも知られずに、密かにおまじないをかけるぐらい、バチ当たらないよね?
息を大きく吸って、ゆっくり吐いた。
誰かに見られるんじゃないかって、心臓がドキドキしてる。
でも大丈夫。
桃ちゃんは所属してる軽音楽部の練習に行ったし、久世くんもクラスの人達ととっくのとうに帰った。
他のクラスメイトの人達もいないし、やるなら今しかない。
「えーっと……簡単に出来そうなのないかな……」
特集の記事をじーっと読んでみる。
……あ、これならすぐに出来そう。
"好きな人の席に座り、両想いになれますようにとお願いする"
「久世くんの席、は、」
窓側の1番後ろの席。
席替えの神様にでさえ、久世くんは愛されてるのかな。