君の甘い笑顔に落とされたい。
でも、ここで逃げるわけにはいかない。
「……案内しますから、ここにはもう入らないでください」
腕を掴む手を振り払わず、ただ真っ直ぐに見上げる。
大切な場所なの。
ここは、久世くんの……
『──そのままでいいよ、おまえは。』
『おまえだけだったよ。120パー本気、みたいなの。』
『夢じゃないから、今からその話しようって言ってるんだよ』
っ私にとっても、大切な場所なの。
「えー……なんか、生意気じゃねぇ?」
男の人の表情がスッと変わる。
さっきまでニヤニヤと笑っていたのに、今は眉を寄せて不機嫌そうな顔。
お、怒ってる……。
一歩、また私に近づいてきたから、思わずぎゅっと瞼を閉じた。
「なにやってんの?」