君の甘い笑顔に落とされたい。

「そうだったの?え、どうして?」
「……椎名くんに、ちゃんと伝えたくて」


メッセージでも電話でもなくて、直接伝えるべきだと思ったから。

明るく笑う椎名くんのことを思い浮かべる。


「そっか……そうだよね。うん、そうしたほうがきっといいね」
「あとで話す約束してるの。ほら、今委員会やってるでしょ?それが終わったら、伝えるつもり」


本当は文化祭の時に伝えたかったんだけど、委員のお仕事でバタバタしていたから、このタイミングになってしまった。


『……分かった。じゃあ、放課後教室で待ってて』


朝のHR前に、椎名くんには話があることを伝えてた。
だからこうして、教室で椎名くんを待っている。

久世くんには、先に帰ってもらった。
これは、私と椎名くんの話だから。
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