君の甘い笑顔に落とされたい。
そんな……全く気づかなかった。
それに、とてつもなく恥ずかしすぎる……。
真っ赤になる私を見て、椎名くんは可笑しそうに笑う。
「よかったね、花戸さん」
椎名くん……。
どうして、こんなに暖かく笑えるんだろう。
もし私だったら、多分、いやぜったい、こんな風には笑えない。
椎名くんは、音楽室の外で、いったいどんな気持ちでいたんだろう。
『俺は、花戸さんのこと好きだよ』
あの時の赤くなった頬と、震えていた声を思い出す。
「何を言われるのか、なんとなく察してる。まぁ、できればOK以外の返事は聞きたくないけどね」
「……椎名くん、」
笑ってくれるのは、椎名くんがやさしいからだよね。
私が気を使わないようにしてくれているからなんだよね。