君の甘い笑顔に落とされたい。

「また明日ね!」と、教室から出ていく桃ちゃんを見送る。

ピン、見つかるといいなぁ……



「あれぇ……ねぇ誰か久世くん知らない?」
「せっかくカップケーキ渡そうと思ったのにぃ!」



ふと、久世くんの席の周りでそんな声が聞こえた。
カップケーキの入った袋を持った女の子達と、椎名くんや他の男子達が首を傾げているところだった。


「あいつHRにも出てなかったし、もう帰ってるんじゃねぇ?」
「えー……鞄はあるのに?」
「ねぇ、椎名は何か知らないの?」

「さぁ?でも一応カラオケ行く約束してるし、先に行って待ってよーぜ」



『あーおまえ、またいつものとこで寝てたんだろ』


保健室に連れて行ってくれた日の、椎名くんの悪戯っぽい笑顔を思い出す。
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